NHK大河ドラマ『青天を衝け』の主人公の渋沢栄一(1840~1931年)は、実業家として日本の近代化を推進した立役者である。ドラマはまだ幕末で渋沢青年はチョンマゲだが、実業家になってからの年譜を見ると1898(明治31)年に「韓国を視察、韓国皇帝に謁見」とある。
日清戦争(1894~95年)の後で日本による韓国併合(1910年)より前である。韓国は日清戦争で清(中国)が日本に敗れたため清の支配から離れ「大韓帝国」になっていた。韓国も近代化を迫られていた時代で、そのころ渋沢栄一は韓国を訪れ、韓国の近代化と付き合うことになる。
ところでソウルの中心街には日本統治時代の建物はほとんどない。辛うじてソウル駅やソウル市庁旧館(旧京城府庁)、韓国銀行(旧朝鮮銀行)などが残っているが、このうち南大門市場に近い韓国銀行の建物は「貨幣博物館」になっていて、韓国の貨幣(お金)の歴史が展示されている。