浪速風

世界王者の「人生」も変えるSNSの刃

コメントを読み上げる井岡一翔=東京都港区(撮影・荒木孝雄)
コメントを読み上げる井岡一翔=東京都港区(撮影・荒木孝雄)

そんな杜撰(ずさん)なことが今もあるのか、とあきれた。世界ボクシング機構スーパーフライ級王者の井岡一翔(かずと)が昨年12月の試合で受けた、お粗末なドーピング検査についてである。採取された尿検体は常温の試合会場に置かれ、その後は検査機関に持ち込まれるまで、日本ボクシングコミッション(JBC)の職員宅で、冷蔵庫の中に保管されていたのだという

▶年末年始で検査機関が閉まっていたとはいえ、本来であれば厳重に冷凍保存されるべきもの。この結果、2つの検体から大麻成分や微量の禁止物質が検出されたが、偽陽性や腐敗の影響を否定できないとして、JBCは19日に井岡の「無罪」を発表した

▶それでも、王者の怒りは収まらない。週刊誌報道などを受け、自身や家族を中傷する会員制交流サイト(SNS)の投稿が殺到したからだ。「潔白に満足しているが、僕の人生はかなり変わった」と井岡。猛威を振るう「SNSの刃」も、杜撰なまま放置されている。