地域内交通にデジタル技術活用 宇都宮市が実証実験

タブレットで予約・配車を確認する地域内交通のドライバー=宇都宮市中岡本町
タブレットで予約・配車を確認する地域内交通のドライバー=宇都宮市中岡本町

宇都宮市は、乗り合いタクシーなど地域内交通の運行にデジタル技術を活用した実証実験を市北部の河内地区で進めている。デジタル技術を導入することで利便性を高める狙い。市内の14地区で運行している地域内交通のうち、河内地区で先行してスタートし、6月には清原地区でも実施する。

今回の実証実験では、予約・配車システムを活用。スマートフォンを用いて専用アプリから予約すると、人工知能(AI)が効率的なルートを計算し、ドライバーのタブレットに通知する。

予約締め切り時間が従来の30分前から15分前に短縮されるほか、電車やバスの発車時刻に合わせた乗り継ぎ時間の指定ができる。運行ルートについても、自動的に最適化されてドライバーがタブレットで乗車場所や目的地への到着予定時刻などを確認できるため、便数を従来の1時間に1便から2便に増やすことができるという。

河内地区は市内で最も地域内交通の利用者が多く、現在約900世帯が登録。買い物や通院などに利用する高齢者のほか、塾に通う子供も多く、予約時間短縮や便数増などの要望があった。実証実験には140世帯が参加。第1回は6月9日まで実施し、アンケートなどを踏まえて8月に第2回を行う。清原地区は6月1日から実施する。

市交通政策課では「今回は利用者の利便性向上、運行の効率化を目的に実施。結果を検証し、令和4年以降の本格導入を目指したい」としている。(松沢真美)

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