在京民放キー局決算 コロナで広告収入低調、全社で売り上げ減

在京民放キー局の令和2年度決算が出そろった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、広告収入がふるわずに売り上げは全社で減少。番組制作費も大きく減り、前年比20%以上のカットとなった局もある。インターネット動画配信サービス関連の収入は前年から伸びており、コロナ禍の巣ごもり需要を反映する決算となっている。

各テレビ局単体の売上高は、日本テレビ=2863億円(前年度比6・8%減)▽テレビ朝日=1994億円(同11・9%減)▽TBS=1896億円(同9・9%減)▽テレビ東京=1033億円(同7・2%減)▽フジテレビ=2175億円(同14・9%減)。

収入の多くを占める広告費のうち、番組と番組の間に流れるスポット広告の落ち込みが大きかった。下期には回復傾向が見られたものの、各局とも10%を超える下落率となった。

一方、感染拡大で自宅で過ごすことが多くなった社会環境の変化に伴い、存在感を高めた動画配信サービスに関係する収入は伸びを見せている。

フジ・メディア・ホールディングスでは、フジテレビが運営する「FOD」が好調で、デジタル事業収入は前年から3%増の122億円。日本テレビホールディングスもグループ会社が運営する「Hulu(フールー)」の会員数が増加したことなどで、コンテンツ販売収入は前年比8%増の734億円に上った。TBSホールディングスのコンテンツ収入は前年から4割以上の増収となった。

制作費カット2割超も

支出面では番組制作費を大きく減らす動きが目立った。地上波単体の売上高で減少割合が最も低い日本テレビでも前年比7・2%減の884億円。ほかはテレビ朝日=669億円(前年度比21%減)▽TBS=884億円(同11・1%減)▽テレビ東京=317億円(同14・3%減)▽フジテレビ=640億円(同20・1%減)で、2割以上カットした局もあった。

昨年5月に公表された元年度決算では、コロナの影響が見通せないため、5社中3社が翌年度の業績を「未定」としていたが、2年度決算では連結業績予想を記載し、ほとんどの社が増収を見込んでいる。感染拡大によるリスクを考慮して、広告収入を保守的に見積もった社もあった。