高齢者など対象にスマホ講座 6月から1800カ所で 総務省 - 産経ニュース

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高齢者など対象にスマホ講座 6月から1800カ所で 総務省

昨年度に石川県加賀市で行われた講習会の実証事業(総務省提供)
昨年度に石川県加賀市で行われた講習会の実証事業(総務省提供)

総務省は18日、スマートフォンなどデジタル機器を扱うことが苦手な人を対象に、基本的な利用方法などを学べる無料講習会を6月中旬から全国の携帯電話ショップなど約1800カ所で、順次開始すると発表した。菅義偉政権が掲げる行政のデジタル化では、高齢者などが取り残される懸念が指摘されており、講習会を行うことで誰もがデジタルの恩恵を享受できる社会の実現を目指す。

同日会見した武田良太総務相は「社会全体のデジタル化が進められる中、デジタル格差の解消が重要な政策課題だ」と事業の意義を強調した。

講習会は全国の携帯ショップや公民館などで実施する。スマホの電源の入れ方に始まり、メールの送り方や地図アプリの使い方といった基礎講座と、マイナンバーカードの申請やスマホでの納税など応用講座の計11講座で構成。希望する講座を選んで受講できるようにする。受講者の希望なども踏まえながら、講座の種類は今後も増やしていく考えだ。

行政がデジタル化されれば、自宅にいながらパソコンやスマホからさまざまな手続きができるようになるとされる。民間でもネット通販など、高齢者ほど恩恵が大きいサービスも多いが、内閣府が昨秋に実施した調査では、70歳以上の高齢者の57・8%がスマホやタブレット端末などを使っていないと回答。今のままでは多くの高齢者がデジタル化の恩恵を受けられない可能性があり、支援を実施する。同事業は7年度まで行う予定で、4年度以降は会場を5000カ所に増やし、延べ人数で1000万人の参加を見込んでいる。

ただ、70歳以上の高齢者は約2830万人おり、全ての高齢者を国の事業だけで支援するのは難しい現実がある。一度、教わっても使い始めれば新たな疑問に直面することも多い。政府は事業をきっかけに、民間や地域で高齢者を支えるような風土を醸成したい考えだが、会社や学校など、共通して所属する組織がない高齢者に、支援を行き渡らせるのは簡単ではない。詐欺などサイバー犯罪から、どう守るかも課題だ。

ニッセイ基礎研究所の中村洋介主任研究員は「スマホの登場でパソコンに比べて操作などが各段に簡単になっており、高齢者でもできることは多い」と指摘。高齢者の利用が増えることで、「より分かりやすいサービスの開発など民間の技術革新が加速する可能性もある」としている。(蕎麦谷里志)