イスラエルがガザ空爆、20人死亡 ハマスのロケット弾に報復

イスラエルの空爆による炎のうねり=10日、パレスチナ自治区ガザ(ゲッティ=共同)
イスラエルの空爆による炎のうねり=10日、パレスチナ自治区ガザ(ゲッティ=共同)

【カイロ=佐藤貴生】エルサレム旧市街にあるイスラム教礼拝所「アルアクサ・モスク」周辺で10日に起きたパレスチナ人とイスラエル治安部隊の大規模衝突を受け、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスなどは同日夜、モスク周辺からの治安部隊撤収を求めてイスラエル領にロケット弾を発射した。イスラエル軍はガザを報復空爆し、子供9人を含む20人が死亡した。

ロイター通信などが伝えた。10日の衝突でイスラエル治安部隊の約20人も負傷し、ネタニヤフ首相は「攻撃する者には重い代償を支払わせる」と言明した。

一方、サキ米大統領報道官が「深刻な懸念」を表明するなど、国際社会でも危機感が強まっている。

ハマスは10日夜、アルアクサ・モスク周辺のイスラエル治安部隊を「一掃する」としてロケット弾を発射。5発前後がエルサレム郊外に着弾、家屋に被害が出た。死傷者はいないもよう。イスラエル軍は10日深夜、ガザから撃ち込まれたロケット弾の数は約150発だったと発表。対空防衛システムで、そのうち数十発を撃墜したという。

ガザからエルサレム周辺へのロケット弾発射は、イスラエルとハマスの戦闘が激化した2014年以来とみられる。ロケット弾はイスラエル南部にも撃ち込まれ、1人が負傷した。

エルサレムでは週末以降、パレスチナ人とイスラエル治安部隊の衝突が本格化。当局が東エルサレムのシェイク・ジャラー地区で、ユダヤ人を住まわせるためにパレスチナ人家族に立ち退きを求めていることが対立激化の背景にある。

東西エルサレムを「不可分の首都」とするイスラエルに対し、パレスチナ側は東エルサレムを「将来の独立国家の首都」と位置付けており、立ち退きが他の地域にも拡大しかねないとの危機感があるとされる。

10日はイスラエルが1967年の第3次中東戦争で東エルサレムを占領した「エルサレムの日」で、ユダヤ人団体が記念行進を予定していたが、混乱を受けて中止を表明した。