サイバー攻撃で米パイプライン停止 ランサムウェアか、米政府が非常時対応

【ワシントン=塩原永久】米東海岸や南部を中心に石油を供給する米コロニアルパイプラインが、サイバー攻撃により操業停止に追い込まれ、米政府当局が9日、「地域的非常事態」を宣言した。米メディアによると、犯行グループが同社から大量のデータを窃取した。米政府が同社と連携し、事態打開に向けて動いている。

サイバー攻撃は7日に発覚。コンピューターウイルスの一種である「ランサムウエア」が仕組まれ、操業できない状態になったという。ロイター通信は関係者の話として、窃取した情報を公表しない見返りに金銭を要求する犯罪集団「ダークサイド」が関与している可能性があると伝えた。

コロニアルパイプラインは全米最大級の供給網のひとつ。パイプラインは製油所がある南部から東部をつなぎ、ガソリンのほか、ディーゼル燃料なども輸送。東海岸一体で消費される半分近くに当たる量を扱い、事態打開までさらに時間がかかれば、ガソリン価格が上昇する可能性がある。

バイデン米政権は「最優先課題のひとつ」(レモンド商務長官)として対応を急いでいる。当局が地域的非常事態と位置づけ、トラックによる代替輸送をしやすくするため、関連規制を緩和することにした。

コロニアルパイプラインは9日、一部のパイプラインで操業を再開したと発表した。ただ、主要な4ラインは依然停止したままだ。