英スコットランド議会選、「独立派」過半数 住民投票めぐり国と地方の対立激化か

7日、スコットランド議会選で当選したスコットランド民族党のスタージョン党首(中央)=英北部グラスゴー(ロイター)
7日、スコットランド議会選で当選したスコットランド民族党のスタージョン党首(中央)=英北部グラスゴー(ロイター)

【ロンドン=板東和正】英北部スコットランド議会選が7~8日に開票され、英国からの独立を訴える地域政党スコットランド民族党(SNP)が第1党を維持した。単独過半数には1議席届かなかったが、同じく独立を目指す緑の党との合計で過半数の議席を獲得。SNPは独立の是非を問う住民投票を再び実施するよう求める見通しで、住民投票の再実施に反対するジョンソン英政権との対立が深まる可能性がある。

議会選は6日に投票された。英BBC放送などによると、SNPはスコットランド議会全129議席のうち64議席、緑の党は8議席を獲得。2党合わせて全体の6割近い議席を確保した。ジョンソン首相が党首を務める与党・保守党は31議席で第2党となった。

SNPのスタージョン党首は「独立派」が過半数の議席を獲得したことを受け、同党が公約に掲げていた住民投票の再実施を英政府に要求する方針だ。スタージョン氏は8日、英メディアに対し「民主主義(の国家)では選挙で勝利した政党は公約を果たす」と強調。住民投票を阻む「正当な理由はない」と述べた。

ただ、住民投票の再実施には英政府の許可が必要で、ジョンソン政権は実施を拒否する考えだ。

ジョンソン氏は8日付の英紙テレグラフのインタビューで「(新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた)経済を立て直し、結束して前へ進むことを国民が望む今、国をばらばらにする議論をすべきではない」と指摘。国民投票を行うことは「無責任で無謀なことだ」と訴えた。

投票実施の是非をめぐって国と地方の対立が激化すれば、法廷闘争に発展する可能性もある。

スコットランドは1707年に英国の一部となるまで独自の王国を維持し、イングランドと戦争を続けてきた。併合後、スコットランドは議会を解散してイングランド議会に吸収された歴史をもつ。1999年にスコットランド議会は復活したものの、現在でも根深い不満が根底にある。

2011年の議会選で独立を訴えたSNPが過半数を獲得し、キャメロン英首相(当時)が住民投票を容認した。ただ、14年に実施された住民投票では、英ポンドがスコットランドで使用できなくなる経済への影響を懸念した有権者も多く、賛成約45%、反対約55%で独立は否決された。

独立の支持者を再び活気づけたのが、英国が16年に決めた欧州連合(EU)離脱だ。同年のEU離脱を問う国民投票では、スコットランドで62%が残留を支持。スタージョン氏は、地元で反対が根強い離脱を英国が果たしたことで独立を求める声が高まったと主張し、住民投票の再実施を公約に掲げていた。