新型コロナウイルス感染拡大に伴う3度目の緊急事態宣言が発令された翌日の4月26日、神戸の玄関口、三宮に「神戸三宮阪急ビル」(神戸市中央区)がオープンした。阪急神戸三宮駅直結の地上29階、地下3階建てで、高層階にはホテルやオフィスが入居。「EKIZO神戸三宮」と名付けられた低層部分や高架下などの商業ゾーンには、魚自慢の居酒屋やオイスターバーなどが軒を連ねる。宣言を受けてオープン初日には37店舗のうち21店舗が休業を余儀なくされるなど苦渋の船出となったが、市が進める「都心・三宮再整備」のランドマーク的な存在として期待を集めている。
さらに注目されているのが、併せて整備されたビル北側の東西約300メートルの市道、通称「サンキタ通り」だ。シックな石畳が敷き詰められ、歩道のテラス席には、コーヒーを片手におしゃべりする人々。ヨーロッパの街角のような空間が、ビルに溶け込むように広がる。思わず歩きたくなる。
サンキタ通りはかつて、両側に歩道がついた一方通行の車道だった。駅前の飲食店がひしめき合うエリアだけに、夜になれば、あちこちに駐停車した車両のそばをタクシーが走り抜け、歩道からはみ出すように、人々が歩いていた。