中国の習近平国家主席は、米中関係の現状を「新冷戦」と描かれるのを極度に嫌う。米ソ冷戦の結末がソ連崩壊で終わったことから、由々しき凶事と忌み嫌うのかもしれない。
先に中国・海南省で開催された「博鰲(ボアオ)アジアフォーラム」の年次総会でも、「あらゆる形の『新冷戦』や、イデオロギーの対立に反対すべきだ」と強調した。対中圧力を強めるバイデン米政権が同盟国や友好国に呼び掛け、ジワジワと包囲の輪を広げているからだ。
王毅外相は米外交問題評議会とのオンライン会合で、中国が実践する「社会主義民主政治」も広い意味の民主主義であるとして、新冷戦の敵対国ではないと言いたげであった。中国の政治体制を「権威」や「専制」と呼ぶのは適切でないとの釈明には、苦笑せざるを得ない。