中国、安保理を活発利用 5月議長国

国連本部(ゲッティ=共同)
国連本部(ゲッティ=共同)

【ニューヨーク=平田雄介】中国が国連安全保障理事会で5月の議長国となり、主導権の獲得に向けた活発な動きを見せている。7日には「多国間主義」をテーマとした閣僚級オンライン会合が行われ、米国批判を展開する見通しだ。今月は他にもアフリカ諸国への新型コロナウイルス対策支援など、中国の外交方針に沿う会合が次々と設定されている。

中国の習近平国家主席は6日、グテレス国連事務総長と電話会談した。国営新華社通信(英語版)によると、習氏は米国と同盟・パートナー諸国を念頭に「多国間主義を口実に小さな仲間を作り、イデオロギーの衝突を起こすべきではない。中国は真の多国間主義を守る」などと主張した。

7日の閣僚級会合では中国の王毅国務委員兼外相が議長を務め、「真の多国間主義」を訴える見通し。米国務省は6日夜の報道文で「安保理の他の理事国から介入があるだろう」と中国を牽制(けんせい)し、ブリンケン国務長官が「法の支配」など国際秩序の基本原則について強調するとした。米中の応酬がありそうだ。

安保理議長国は理事国が毎月交代で務める。中国は17日に新技術の乱用防止、19日にアフリカのコロナ禍からの復興に向けた会合を開く予定だ。一方で中国は、国軍が市民弾圧を続けているミャンマーの問題に消極的で、張軍国連大使が3日の会見で「東南アジア諸国連合(ASEAN)の努力を支える」と述べるにとどめた。

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