女子大院生のウミウシ愛 切断頭部だけで再生する生態発見(2/3ページ) - 産経ニュース

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女子大院生のウミウシ愛 切断頭部だけで再生する生態発見

 その後、体部分は最長3、4カ月生存したが再生はしなかった一方、頭部分には心臓と体ができ、全身が再生した。「まさか再生するとは思わず、本当に驚いた」と三藤さん。

 詳しく調べるため観察を続けた。すると、研究室で飼育していた15個体のうち5体と野外で採集した1体で自切の現象がみられた。うち、一部で頭部分から再生が始まり、約3週間で体も含めてほぼ完全な形となることを確認した。

メカニズム解明へ

 さらに、別のウミウシの一種「クロミドリガイ」でも、3体の自切を確認。うち2体が再生した。いずれも甲殻類のカイアシ類に寄生されていた。寄生されると産卵が抑制されるといい、捕食から逃れるためではなく、寄生種を排除するため自切をしたのではないかと考えられるという。

 また、今回の2種は、海藻から葉緑体を取り込み、光合成をすることができるため、三藤さんは「頭部だけでも光があればエネルギーを獲得できることが関係しているのでは」と推測する。

 ウミウシの自切・再生のメカニズムが解明できれば将来、再生医療などに応用できる可能性があるといい、今後ほかの同種生物も使って調べる方針だ。

「癒やされる」存在

 三藤さんがウミウシに興味を持ち、遊佐教授の研究室の門をたたいたのは学部生のとき。卒業論文ではウミウシを飼育して繁殖させる「継代飼育」をテーマに研究した。謎めいた生態もさることながら、「見た目がかわいく、癒やされる」と三藤さん。ウミウシへの愛情は増すばかりだという。