--小泉流人事の特徴は
「象徴的だったのは私が小泉内閣の発足とともに経済財政担当相に就任し、改革の旗を振ったが、その結果、『竹中バッシング』が起きた。新聞記者も『竹中は1年で辞める』と思っていたのではないか。ところが、小泉氏がやったことは、辞めさせるどころか金融担当との兼務だった。この思い切った人事が『小泉流』だ。『自分は改革の筋は曲げない』という強いメッセージを打ち出したのだ」
--小泉政権の功績は
「不良債権処理や郵政民営化も大きな功績だが、実はその前に大変大事なことに取り組んでいる。それは『経済財政諮問会議』という場所を確立したことだ。国が行うすべての政策には予算が必要なため、小泉政権以前は政策をつくることと、予算をつくることはイコールの関係だった。このため、予算をつくる旧大蔵省は圧倒的な権限を持っていたわけだ」
「この状況を大きく変えたのが諮問会議だ。実は会議体そのものは小泉政権の発足前にできていたものの、当時の宮沢喜一財務相が「予算は財務省に任せて、骨太の議論をしてもらえれば」という趣旨の発言などで警戒を強めていた。小泉氏はこの言葉を逆手にとって、諮問会議の場で『骨太の方針』と呼ばれる予算編成の指針をつくることを決めた」