小泉純一郎政権発足20年を振り返るインタビューの2人目は、ブレーンだった竹中平蔵元経済財政担当相に聞いた。
--なぜ小泉政権に協力しようと考えたのか
「当時の日本はバブル崩壊を経験し、非常に悲惨な状況が続いていた。政治が既得権益と対峙(たいじ)し、相当な荒療治を行う必要に迫られたときに現れた小泉首相を私は『奇跡の首相』だと感じた。平時であれば小泉氏は首相にはなれなかったかもしれないが、非常事態の中で国民が異色の首相を求めていたのだろう」
--小泉氏に何と協力を求められたのか
「小泉氏とは以前から1カ月に1~2回、私が人を集めて都内のホテルなどで定期的な勉強会を開いていたが、平成13年の自民党総裁選に勝利した直後の勉強会で『これからすさまじい戦いになる。一緒に戦ってくれ』と要請された」
--具体的に小泉氏は歴代首相とどう違ったのか
「誕生日プレゼントに贈った花束も『私は人から物はもらわない』と突き返したエピソードがあり、当時はよく『変人』などと呼ばれていたが、私に言わせると、ものすごく『基本』を徹底的に大事にする人だったように思う。政治家は特定の利害関係者のために働くものではなく、国のために働くものという『基本』が体に染みついていた」