青森で進む古民家の再利用 空き家対策と脱炭素、循環型社会の形成に一役(1/2ページ) - 産経ニュース

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青森で進む古民家の再利用 空き家対策と脱炭素、循環型社会の形成に一役

青森で進む古民家の再利用 空き家対策と脱炭素、循環型社会の形成に一役
青森で進む古民家の再利用 空き家対策と脱炭素、循環型社会の形成に一役
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 全国的な課題となっている空き家対策として、日本の伝統的な家屋「古民家」を移築、再利用しようというプロジェクトが青森県内で始まった。主に戦前に建てられ、長い歴史を刻む古民家の資材には再生可能な資源が多く使われていることから、環境に配慮した脱炭素社会の実現や循環型社会の形成に一役買いそうだ。(福田徳行)

青森ヒバを利用

 古民家移築プロジェクトに取り組んでいるのは、全国古民家再生協会(東京都港区)。全国各地の古民家の持ち主が物件を登録し、古民家を移築したり、部材を活用して住宅を建てようと希望する人たちを同協会がサポートする仕組みだ。青森県内では津軽地方にある空き古民家5件が「津軽古民家」として登録されている。

 今年8月の解体が決まっているものの移築希望の弘前市内の物件は築70年の農民家で、1階が約44坪(約145平方メートル)、2階は約11坪(約36平方メートル)。希望者には膳など古民具も譲るという物件。同じく中泊町では築100年以上の農民家が登録されている。建具の状態も良好で、再利用可能という。

 津軽古民家は、耐久性の高い青森ヒバをふんだんに使用している。大黒柱を中心に堅牢(けんろう)性の高い木組みで、田の字型の間取りが特徴だ。だがこれまで解体撤去された古民家の多くは再利用されず、木材はチップとして燃やされ二酸化炭素を排出しているのが実情だった。

 同協会青森第1支部によると、青森県内では約8万8千棟の空き家があり、このうち約10%が古民家といわれている。大室幸司支部長は「空き家を長く放置することは地域のためにならない。古民家は伝統的に価値ある建物で、古材を再利用することで持続可能な循環型社会の形成につながることを期待している」と強調する。

 同支部ではさらに登録件数を増やし、空き古民家の移築プロジェクトを推進していきたいとしている。