【ワシントン=黒瀬悦成】サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は4月30日、政策研究機関「アスペン研究所」のイベントで講演し、中国が台湾への軍事圧力を強めていることに関し、「習近平国家主席は台湾への圧力強化を外交政策の中心に据えた」と指摘した。
さらに「一方的な現状変更に反対する」と述べ、中国の台湾に対する威圧的な行動を牽制(けんせい)した。
サリバン氏は、台湾の防衛支援を規定した米国の台湾関係法に基づき、台湾の自衛能力強化を引き続き支えていくと表明した。
また、インド太平洋地域の国々に対し、「中台関係の安定の必要性について、関心を高めてもらうよう働きかけていく必要がある」と強調した。
米台間で経済や教育などの分野を中心に人的交流を活発化させ、「民主勢力の仲間」として連携を強めるべきだとも指摘した。
習体制が台湾への圧力を強めている背景には「(台湾問題が)長期的な中国の威信や安定の確保に死活的に重要だとみなしているためだろう」と分析した。
その上で、台湾問題をめぐる現状変更を許さない米国の立場を中台双方に伝えたほか、4月の日米首脳会談などの場で同盟・パートナー諸国にも伝達したことを明らかにした。