九電、3年3月期連結決算は増収増益 コロナなど影響も販売電力量は増加

決算を発表する九州電力の池辺和弘社長(中央)と薬真寺偉臣副社長(左)、長宣也常務執行役員
決算を発表する九州電力の池辺和弘社長(中央)と薬真寺偉臣副社長(左)、長宣也常務執行役員

 九州電力は30日、令和3年3月期連結決算を発表した。売上高は前期比5・9%増の2兆1317億円、最終利益は321億円(前期は4億円の最終赤字)の増収増益だった。今冬の電力需給逼迫(ひっぱく)に伴う電力卸市場価格の高騰や新型コロナウイルスの感染拡大による利益押し下げはあったが、九州域内外での営業攻勢による販売電力量の増加などで補った。

 今期の販売電力量は、新型コロナの影響で20億キロワット時程度の落ち込みはあったものの、全体では前期比2・7%増の751・7億キロワット時を確保した。中でも、関東地方で電力小売り事業を手掛ける子会社「九電みらいエナジー」が、販売電力量を倍増させた。

 ただ、現状で自前の発電所を持たず、卸市場での調達に頼るみらいエナジーは今冬の市場価格高騰の打撃を受けた。グループ全体では260億円の経常利益押し下げ要因となり、販売電力増に伴う290億円の増収効果をほぼ打ち消した。

 池辺和弘社長は常々、電気事業者として「(需要獲得の)裏付けとなる電源を持っておくことは重要」と強調する。域外電源として千葉県袖ケ浦市で計画中の液化天然ガス(LNG)火力発電所について「作りたいという熱い思いは変わっていない」と述べた。さらに、自社で保有するLNGを関東地方の既存発電所に提供し、発電した電力を受け取るような連携も検討しているとした。

 同社はあわせて、社員の副業や兼業を認めるほか、社外からも受け入れる新制度を5月1日から試験的に導入すると発表した。