米FRB、金融緩和維持 パウエル議長、縮小検討「近くない」

FRBのパウエル議長(ロイター=共同)
FRBのパウエル議長(ロイター=共同)

 【ワシントン=塩原永久】米連邦準備制度理事会(FRB)は28日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、事実上のゼロ金利政策などの金融緩和策を維持することを決めた。パウエル議長は、景気回復にともなって緩和縮小を検討する段階は「近くない」と述べ、新型コロナウイルスの打撃を受けた景気支援を継続する姿勢を示した。

 FRBは声明で、米政府の財政出動やワクチン普及により、経済統計が「強くなった」と指摘。経済再開を受け「もっとも悪影響を受けた業種でも改善が見られた」と分析した。

 景気回復に合わせて物価上昇や雇用改善が進み、当面は利上げに先行した量的金融緩和策の縮小時期が焦点となっている。パウエル氏は記者会見で、緩和縮小を検討するには「(2%のインフレ率や完全雇用に向けた)さらなる実質的な進展が前提になる」と改めて強調。このところの物価の伸びは「一時的なもの」で長続きしないとした。

 失業率はコロナ危機が深刻化した昨年春、15%に迫ったが、今年3月の失業率は6・0%まで低下した。ただ、緩和縮小の条件が整うには「しばらく時間を要する」とし、景気の回復軌道が確実になったかを、経済統計を通して見定める意向を示した。

 FRBは量的緩和策で、米国債の購入額の目安を月800億ドル(約8兆7千億円)、住宅ローン担保証券(MBS)を月400億ドルとしている。