米議会襲撃受け厳戒 コロナ時代の大統領演説は異例ずくめ - 産経ニュース

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米議会襲撃受け厳戒 コロナ時代の大統領演説は異例ずくめ

上下両院合同会議で施政方針演説を行うバイデン米大統領(AP)
上下両院合同会議で施政方針演説を行うバイデン米大統領(AP)

 【ワシントン=大内清】バイデン米大統領による28日の施政方針演説は、新型コロナウイルスの感染対策と、1月に起きたトランプ前大統領の支持者らによる連邦議会議事堂襲撃事件を受けた厳重な警備という異例な状況が重なる中で行われた。

 演説会場の下院本会議場にマスク姿で入ったバイデン氏は、出席者たちと拳を合わせるあいさつを交わしながら登壇。同氏の後ろには、上院議長を務めるハリス副大統領と、民主党のペロシ下院議長が並んだ。上下両院の議長を女性が占めるのは米史上初だ。

 議場に入れる人数は、出席者同士で十分な距離をとれるよう200人程度に制限された。出席議員が大幅に絞られ、閣僚もブリンケン国務長官とオースティン国防長官に限定。議員たちが家族や友人らを招待する慣習も今年は禁じられた。米CNNテレビは、民主党では出席者を選ぶくじ引きが行われたと伝えた。

 施政方針演説や一般教書演説では、政権が訴えたい政策を象徴する人物がゲストとして招かれ、大統領夫人とともに演説を聞くのが慣例化している。

 今回のゲストは、バイデン氏の演説内容に合わせ、幼少時に米国へ移民したメキシコ出身の男性看護師や、銃による暴力の防止活動に従事する女性、性的少数者への差別禁止などを訴えるトランスジェンダーの高校生ら。ジル夫人との同席は見送られ、オンラインで演説を見守った。

 人数を大幅に制限しての演説となったのは、新型コロナ対策に加え、治安対策上の理由も大きい。1月6日にトランプ氏の支持者らが議事堂に乱入し警官1人を含む5人が死亡した事件が、議会や警備当局にトラウマを植え付けた形だ。

 議事堂の一帯は、事件を受けて設置されたフェンスやコンクリートブロックに囲まれたままの状態。警備のための州兵部隊も配備されており、例年よりも物々しい雰囲気に包まれた。大統領警護隊(シークレットサービス)の責任者はAP通信に「1月6日に起きたことで用心深くなっているのは確かだ」と話した。

 議事堂付近では今月初め、男が警備用バリケードに車で突っ込んで警官1人を殺害し、その後、射殺される事件が発生しており、警備当局はいっそう神経をとがらせていた。