JR東日本、黒字化へ不動産事業強化 コロナで運輸の回復には懸念

 JR東日本が28日発表した令和3年3月期連結決算は、最終損益が5779億円の赤字(前期は1984億円の黒字)だった。赤字は1987年の国鉄民営化以降初めて。新型コロナウイルス感染拡大の影響の直撃を受けた形だ。4年3月期は不動産事業の強化など「鉄道プラスアルファの収益基盤をしっかり作る」(赤石良治常務)ことで、360億円の最終黒字を確保する考えだが、今秋以降に運輸収入がコロナ禍前の8割以上まで回復することを前提としており、不安要素も多い。

 「2期連続の赤字を避けるのはマスト(必須)だと思うので4年3月期の黒字化をグループをあげてやっている」。赤石氏は28日の会見でこう強調し、4年3月期もグループ全体で約700億円のコスト削減を進める考えを示した。

 JR東はその上で、不動産事業の強化に向け、みずほフィナンシャルグループと不動産投資顧問会社を新設したことを発表。新会社の組成する不動産ファンドによる運用益を再開発事業などにあてる戦略を描く。

 黒字化の前提となるのは、同社の収益全体の大半を占める鉄道など運輸事業の回復だ。運輸事業は3年3月期は約5300億円の営業赤字だったが、4年3月期は400億円の営業赤字まで回復することを見込んでいる。

 ただ、赤石氏は運輸事業についてワクチンの普及などを前提に、「8月頃には一定程度通常に戻る」と述べる一方、「(状況は)変わりうるので機動的に(見通しを)組み直す」とも言及。4年3月期の業績もコロナに大きく揺さぶられるのは確実といえそうだ。

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