居酒屋求め東京から「越境」「駆け込み」 周辺3県押さえ込みへ 

居酒屋閉店後、飲み屋街から川口駅方面へ帰路につく人たち=26日、埼玉県川口市(鬼丸明士撮影) 
居酒屋閉店後、飲み屋街から川口駅方面へ帰路につく人たち=26日、埼玉県川口市(鬼丸明士撮影) 

 東京など4都府県の緊急事態宣言スタートを機に宣言対象外の近接県に行き、飲酒や娯楽を楽しむ人の姿が目立っている。埼玉、千葉、神奈川県では蔓延(まんえん)防止等重点措置の対象地域を拡大し、28日から酒類の提供を終日自粛するよう要請。「越境飲み」や「駆け込み飲み」を押さえ込みたい考えだ。

前週より8割増

 東京都と隣接する埼玉県川口市。安く酔える「センベロ」の街としてしられるJR赤羽駅(東京都北区)から川を挟んで一駅の川口駅近くの居酒屋では26日夜、多くの人でにぎわい満席の店もみられた。

 「川口には縁もゆかりもないけど、都内の居酒屋が休業しているので」と話すのは、板橋区在住の男性会社員(34)。中学時代の地元の友人と久々に集まって飲んでおり、すでに「3軒目だ」と話した。

 「いつもは赤羽の居酒屋に行くけど、緊急事態宣言で飲めないので地元の川口で飲むことにした」と話すのは会社員の男性(55)。この日は座席の8割近くが埋まっていたという。

 市内の居酒屋店長、根本昴さん(33)は「いつもの常連客とは違った顔ぶれが目立った」。25日の客数は前週の日曜より8割も増加したという。

 コロナ禍以降は日曜日に2階の客席を使用したことはなかったものの、25日は営業を開始しておよそ2時間半で1階の約30席が満席に。営業が終了する午後8時まで2階も開放したという。「東京から人が流れてくるのは誰でも予想がつく。今回の緊急事態宣言は意味がない」と根本さんは困惑した様子を見せた。

食い止めへ

 システム会社「アグープ」のスマートフォンの位置情報を基にしたデータでも人流の増加は現れている。26日午後8時台の川口駅周辺の人出は月曜の夜としては今年最多を記録した。今年に入ってから平日の同時間帯では4番目に多かった。

 埼玉、千葉、神奈川の3県は蔓延防止等重点措置の対象区域の店舗に酒類提供を終日自粛するよう求めることを決定。自粛要請は28日から重点措置期限の5月11日までだ。対象区域も大幅に拡大した。

 神奈川県の黒岩祐治知事はホームページに動画を公開し、「都から県内へ人の流れが急増する恐れがある。蔓延防止措置を強化し、感染拡大を食い止めたい」と強調した。