米アカデミー賞、ノマドランドが3冠 アジア人女性が初の監督賞

映画「ノマドランド」の一場面(C)2021 20th Century Studios. All rights reserved.
映画「ノマドランド」の一場面(C)2021 20th Century Studios. All rights reserved.

 【ニューヨーク=平田雄介】米映画界最高の栄誉とされる第93回アカデミー賞の発表・授賞式が25日、ロサンゼルスで開かれ、米国の車上生活者を描いた「ノマドランド」(クロエ・ジャオ監督)が作品賞と監督賞、主演女優賞の3冠を獲得した。ジャオ氏は中国出身で、アジア人女性の監督賞受賞は初。俳優部門も含めてマイノリティー(人種的少数派)が躍進し、米社会の多様性が反映された。

 「ノマドランド」は、主人公の高齢女性が、企業倒産の影響で家を失い、キャンピングカーで現代のノマド(遊牧民)として季節労働の現場を渡り歩く物語。過酷な暮らしの中でも誇りを持ち、自由を生きる姿を描いた。ジャオ氏は受賞直後、「人は生まれながらに善良だ。正反対のことが起きようと人々の善良さを信じている」と語った。

 主人公を演じたフランシス・マクドーマンドさんは3度目の主演女優賞。主演男優賞には「ファーザー」に出演したアンソニー・ホプキンスさんが選ばれ、2度目の受賞となった。

 助演男優賞には「ユダ・アンド・ザ・ブラック・メサイア」の英国の俳優で黒人のダニエル・カルーヤさんが、助演女優賞には韓国系移民一家を描いた「ミナリ」で祖母役を演じた韓国人俳優のユン・ヨジョンさんがそれぞれ選ばれた。韓国人俳優がアカデミー賞を受賞するのは男女通じて初めてとなる。

 また、黒人の音楽教師を主人公に配した「ソウルフル・ワールド」が長編アニメーション賞を受賞した。

 発表・授賞式は2月に予定されていたが、新型コロナウイルス禍の影響で延期された。感染防止のため例年のドルビーシアターより開放的な空間のあるユニオン駅をメイン会場に、オンラインで海外を含む複数の会場と中継して行われた。

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