数字から見えるちば

鶏卵王国維持へブランド化着々

 千葉県は、飼養羽数1243万羽で全国2位、鶏卵生産量16万6471トンで全国3位と、鶏卵生産が盛んな県である。その背景としては、大消費地である東京に隣接したアクセス性の高さに加え、平(へい)坦(たん)な地形が多く大規模な鶏舎建設に適していることや、県内の温暖で安定した気候が気温の変化に弱い鶏の飼育に適していることなどがあげられる。

 そんな千葉県の鶏卵業界をめぐっては、新型コロナウイルスによる卵の業務用需要の落ち込みに加え、高病原性鳥インフルエンザが猛威を振るい、森田健作知事(当時)が「緊急事態」と発言するに至った。昨年12月のいすみ市を皮切りに横芝光町、匝瑳市、旭市、多古町など2月末までに11例が発生し、県内飼養羽数の3分の1以上となる468万羽が殺処分される事態となった。

 これまで17県で50例以上が発生するなど全国規模で被害が拡大した。感染が収束しても、県産鶏卵に対する風評被害などが残る可能性があることには留意が必要だ。もっとも、厚生労働省では、鳥インフルが人に感染したケースは日本では確認されておらず、鶏肉や鶏卵を食しても感染した事例はないとしており、一人一人の正確な情報に基づいた消費行動が求められる。

 こうした中、卵の万年安値基調から脱するためのブランド化を進める動きも続いている。袖ケ浦市の「北川鶏園」は、卵質を追求した「ぷりんセス・エッグ」や「烏骨鶏の卵」を生産。独自配合の餌やミネラル豊富な地下水を与えるなど徹底した体調、衛生管理に努め、県鶏卵品質改善共進会にて農林水産大臣賞を受賞するなど高い評価を得ている。県内外のパン屋や洋菓子店などから材料用の卵として指名買いが入るなど人気が高い。また、山武市松尾町にある「たまごや とよまる」は、近隣にあるサントクファーム松尾農場で生産された卵を産直販売するほか、イートインスペースで新鮮な材料を使った卵かけご飯や卵焼き、プリンなどを提供し、市内外から足を運ぶ客が絶えない店としてコロナ禍でも人気を博している。

 巣籠もり生活が長引く中、自宅で料理をする機会も多くなっているが、私も日々の食卓に地元の新鮮な卵をたくさん取り入れて、逆境にある千葉県の鶏卵事業者を応援していきたい。また、県内には安全でおいしい卵の販売店や飲食店が多く、県内をドライブしがてら、自分好みのブランド卵を探すのも一興となろう。(ちばぎん総研主任研究員 観音寺拓也)