今年3月発表の平成30年産柑橘(かんきつ)類の収穫量(温州みかんと、いよかんなど1~5月に収穫される中晩(ちゅうばん)柑類の総計)で、統計開始から全国1位を44年間守り続けてきた愛媛県が和歌山県に首位の座を譲った。平成30年7月の西日本豪雨による園地崩落などの被害が大きく影響した。
令和元年産温州みかんの愛媛県の収穫量は12万5400トン(前年産11万3500トン)と増えており、柑橘類総計で首位に返り咲く可能性はあるが、愛媛の現状からは農家の高齢化、後継者難など日本の農業をとりまく課題も浮かび上がる。
愛媛県によると豪雨被害を受けた柑橘園地は計約300ヘクタール。宇和島、西予、松山、今治各市の被害が著しく、県は農家に対し、(1)被災前に戻す「原形復旧」(2)一部被災していない場所を取り込んで区画整理する「改良復旧」(3)大規模な区画整理をして災害に強い農地をつくる「再編復旧」-の3案を提示。原形復旧と改良復旧は314件の申請を受け、国の補助金を使い今年3月末までに約9割で着工、うち約5割が完工した。