浪速風

新型コロナ 自然の生命力もらいたい

在宅勤務による運動不足解消のため、いつも山裾の道を散歩する。新緑が目に優しい。年ごとに変わらない木々の芽吹きは、老いた身にも若々しい生命力を与えてくれている気がする。遠目に野生の藤の花が眺められ、民家の庭では色とりどりのツツジがにぎやかだ。

▶「おくのほそ道」を開くと松尾芭蕉は日光東照宮をたどり、「あらたうと青葉若葉の日の光」という句を詠んでいる。「日の光」は日光を意識したものだろう。そのような連想をしなくても、木々の間で揺れる陽光は美しい。光を透かした若葉はみずみずしく、この世の尊さすら思わせる。

▶すれ違う人が距離を保ってマスク越しに会釈を送ってくれる。こちらも返す。この人もそうやって新型コロナウイルスと戦っているのだろう。東京、大阪、兵庫、京都の4都府県が25日から緊急事態宣言下に置かれる。状況は深刻だ。長い戦いを乗り切るため、身近な自然から生命力をもらうのも一法である。