ジャズピアニスト、桑原あい コンプレックス乗り越え初のソロ作品  

感謝

 「ピアノに向かうのも、生きること自体も楽になりました」といまは笑顔を輝かせる。思い通りに演奏できる。「今だ!」という思いで臨んだのが、この「Opera」の録音というわけだ。

 既製の有名曲から5曲を選び、もう5曲は友人、知人5人からリクエストを募った。ミュージシャン仲間からはシシド・カフカとSOIL&PIMPSESSIONSの社長、落語家の立川志の輔やミュージカル俳優の山崎育三郎、作家の平野啓一郎と交友録は多彩だ。

 このほかに桑原は、1曲だけ自作曲を忍ばせた。「ザ・バック」。ジョーンズへの感謝を込めて書いた曲だ。ジョーンズが桑原に声をかけたのは、スイスのモントルー。そのとき桑原は、ソロピアノのコンテンストに出場したが入賞を逃し、泣いていたのだ。ソロピアノのアルバムで取り上げるなら「この曲しかない」。

 「30歳までに、ソロ演奏をきちんとした形で残したい」。デビュー当時から掲げていた目標をなしとげたが、こんどは映画音楽に挑戦したいという。

 「モリコーネみたいな、音楽だけで映像が思い浮かぶような曲を書きたい。両手をいっぱいに広げて、映画のお仕事を待っています」

 アルバム「Opera」は4月7日に発売。これを記念して6月にライブを行う。日程は次の通り。

 6月13日(日)=ブルーノート東京(ソロとトリオ)

 6月15日(火)=名古屋・BLcafe(ソロとトリオ)

 6月16日(水)=ビルボードライブ大阪(ソロとトリオ)

 6月25日(金)=東京オペラシティ リサイタルホール(ソロ)

 くわばら・あい 平成3年生まれ。洗足学園高等学校音楽科ジャズピアノ専攻を卒業後、ライブ活動開始。24年、アルバム「from here to there」でデビュー。29年にはスティーブ・ガッド、ウィル・リーとアルバム「Somehow,Someday,Somewhere」を録音。ライブも行う。「サタデーステーション」「サンデーステーション」「機動戦士ガンダムサンダーボルト」、任天堂ゲーム用ソフト「スプラトゥーン2」などの音楽も手がける。