「まだ道のり遠い」 気候変動サミットでCOP26議長 日米の目標引き上げ評価

気候変動に関するオンライン首脳会合に参加する各国首脳ら=22日、トルコ・アンカラ(AP=共同)
気候変動に関するオンライン首脳会合に参加する各国首脳ら=22日、トルコ・アンカラ(AP=共同)

 【ワシントン=塩原永久】米国主催の気候変動に関する首脳会合(気候変動サミット)が23日、閉幕した。温室効果ガスの主要排出国の首脳は、大半が22日に演説。日米やカナダ、ブラジルが排出削減目標の引き上げや前倒し実施を表明した。中国を含む各国が対策強化を説明したが、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)のシャーマ議長(英国)は、「まだ道のりは遠い」と述べ、脱炭素化の取り組み加速を求めた。

 11月のCOP26は、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」に関する国際交渉の当面の焦点となる。

 オンラインで開かれた会合で、シャーマ氏は、日本や米国、カナダが国別削減目標を上積みし「先進7カ国(G7)が2050年の脱炭素化に道筋をつける目標を出した」と評価した。

 一方、産業革命前からの気温上昇を1・5度以下に抑えるパリ協定の努力目標の達成には「不十分だ」との認識を示し、より多くの国が対策強化を決断するよう促した。

 国別削減目標は米国が30年に05年比50~52%減、カナダが同40~45%減、日本が30年度に13年度比46%減を表明。ブラジルは、排出量を実質ゼロとする時期を従来の目標から10年前倒しし、50年とした。

 バイデン米大統領は気候変動問題で発展途上国を支援する「気候ファイナンス計画」を発表。途上国に対し、24年までの年間の支援額をオバマ政権時代の13~16年の平均から倍増する。

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