【ニューヨーク=平田雄介】国連のグテレス事務総長は22日、バイデン米大統領主催の気候変動に関するオンライン首脳会合(気候変動サミット)で演説し、「母なる自然は待ってくれない」と各国に取り組み強化を求めた。終了後に声明を発表し、温室効果ガス排出削減目標の上積みを表明した日本などの姿勢を「歓迎する」とした。
グテレス氏は演説で、太陽光発電など再生可能エネルギーを利用できる設備投資を増やすよう要請。一方で、二酸化炭素(CO2)の排出が多くなる石炭火力発電を段階的に廃止し、「先進国は2030年までに、その他の国も40年までに全廃すべきだ」と訴えた。
また、先進国に対し、6月に英国で開催予定の先進7カ国(G7)首脳会議で途上国向けの財政支援策をまとめるよう要請した。
声明では、気候変動問題解決への「道のりはまだ長い」と指摘し、11月に予定される気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に向けて一層の努力を呼びかけた。