オンライン形式で22日に開催された米主催の気候変動サミットでの菅義偉(すが・よしひで)首相の発言の全文は次の通り。
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ジョー(バイデン米大統領)はじめ、皆さまとまたお目にかかれてうれしく思います。一週間前、私を温かくホワイトハウスに迎えて いただいたことに、改めて感謝します。この重要なサミットを開催する、ジョーの指導力に改めて敬意を表します。
集中豪雨、森林火災、大雪など、近年、世界各地で発生する異常気象は、気候変動が大きな原因といわれております。気候変動問題に取り組み、脱炭素化を進めることは、人類全体で解決を目指すべき待ったなしの課題です。気候変動への対応は、経済の制約ではありません。むしろわが国、そして、世界経済を長期にわたり力強く成長させる原動力になります。こうした思いで、私は、昨年秋、総理就任直後に「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。
地球規模の課題の解決に、わが国としても大きく踏み出します。2050年カーボンニュートラルと整合的で、野心的な目標として、わが国は、2030年度において、温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指します。さらに、50%の高みに向け、挑戦を続けてまいります。この46%の削減は、これまでの目標を7割以上引き上げるもので、決して容易なものではありません。しかしながら、世界のものづくりを支える国として、次なる成長戦略にふさわしいトップレベルの野心的な目標を掲げることで、わが国が世界の脱炭素化のリーダーシップをとっていきたいと考えています。今後、目標の達成に向けた施策を具体化すべく、検討を加速します。
経済と環境の好循環を生み出し、2030年の野心的な目標に向けて力強く成長していくため、政府として再エネなど脱炭素電源を最大限活用するとともに、企業に投資を促すための十分な刺激策を講じます。