堤高139メートルは九州一 小石原川ダム事業完了 福岡県朝倉市

堤高139メートルは九州一 小石原川ダム事業完了 福岡県朝倉市
堤高139メートルは九州一 小石原川ダム事業完了 福岡県朝倉市
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 福岡県朝倉市で進められていた小石原川(こいしわらがわ)ダムの建設事業が完了し、試験湛水(たんすい)を経て、近く本格運用に入る。堤高は139メートルと九州のダムで最も高く、ダム湖は一般公募により「令和あさくら湖」と命名された。ダム建設や昨年7月の豪雨災害が重なり、通行できなくなっていた国道500号は、6月中の供用開始を目指す。開通すれば、ダム周辺は市民憩いの場となりそうだ。(永尾和夫)

 小石原川ダムは、筑後川水系小石原川の上流域(朝倉市江川)に位置し、福岡県南部への水道水の供給や洪水被害の軽減を目的に平成15年4月に事業着手した。本体工事は平成28年4月に始まり、今年3月に完了した。総事業費は1960億円に上る。

 ダムの形式は3層構造になったロックフィルダム。中央部分は、水を通さない粘土層で固め、その外側を砂や砂利で覆った上、直径30センチ前後の岩石を敷き詰めてピラミッド状のダムにしている。岩石は上流域で採掘した。この形式のダムは、コンクリート式ダムなどに比べ地盤が悪い場所で多いという。

 完成したダムは堤高139メートル、堤の長さ550メートル。総貯水容量は4千万立方メートルになる。約3キロ下流にある江川ダムの2千400万立方メートルのほぼ2倍の貯水が可能だ。このため、小石原川に平行して流れる佐田川に設けられた寺内ダム(総貯水容量900万立方メートル)の上流に長さ約5キロの導水トンネルを設置し、佐田川では使わない水を江川ダムにため、水資源の有効活用を図るシステムになっている。小石原川ダムの貯水は福岡県南広域水道企業団とうきは市にも供給される。

 小石原川ダムを建設・管理する独立行政法人水資源機構によると、試験湛水は100%の水をため、ダムの安全性を確認するテスト。当初、今年3月の運用開始を目指して令和元年12月にスタートしたが、少雨が続いたこともあって貯水率は今月21日現在約95・6%。満水になった時点から今度は水位を2カ月半かけて最低水位まで徐々に落とし、安全性を再チェックする。ただ、6月からの洪水期には水位を下げておかなくてはならず、本格運用は秋口以降にずれ込む可能性もある。

 一方、ダム湖の周辺では駐車場やトイレを整備中。山にはサクラやモミジなどを植林、自然林の再生を図っている。ダム建設に続き、昨年7月の豪雨被害もあって、通行止めになっていた国道500号の朝倉市江川-東峰村小石原は、6月中の開通を予定している。開通すれば、観光地の古都秋月と民陶の里・小石原を結ぶ新ルートとして注目されている。