米、国際協調の主導権狙う 排出量削減目標2倍に - 産経ニュース

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米、国際協調の主導権狙う 排出量削減目標2倍に

バイデン米大統領(AP=共同)
バイデン米大統領(AP=共同)

 【ワシントン=塩原永久】バイデン米政権は22日、気候変動に関する首脳会合(気候変動サミット)の開幕直前に温室効果ガス排出量を2030年までに05年比50~52%削減する新たな目標を発表した。狙いは気候変動対策で世界最大の排出国である中国に行動を促し、国際協調の主導権を握ることだ。ただ、中国側には米主導の枠組みへの警戒感もあるとみられ、米国側にも環境技術で中国に先行を許すことへの危機感がある。国際協調の舞台裏では、米中のつばぜりあいが続きそうだ。

 米政府は2日間のサミットで閣僚ら計18人の幹部を登壇させる。「政府の総力をあげて気候危機に対処する」(政府高官)バイデン政権の本気度の表れだ。

 バイデン政権がサミットに意気込みを強めるのは、効果的な温暖化対策を実現するには中国を巻き込むことが不可欠だからだ。米政府高官は21日の電話会見で「両国とも2030年まで行動する必要性を理解している」と述べ、中国との協調関係をアピールした。

 ただ、中国側には米国主導の枠組みに全面的に協力することへの警戒感も見え隠れする。

 中国はバイデン政権から招待されたサミット参加の可否について、直前まで態度を表明せず、米国と神経戦を演じた。米国内には「指導者として振る舞いたい中国が、米国が率いる(サミットなどの)構想に一役買おうとは思わないはずだ」(米調査会社ユーラシアグループのイアン・ブレマー氏)との冷めた見方もあった。

 一方、バイデン政権にも中国への危機感がある。ブリンケン米国務長官は19日の演説で、再生可能エネルギー分野などで中国に対して「米国が出遅れている」と発言。米国が環境・エネルギー分野で大規模な投資を行い、中国に対抗すると挑戦状を突き付けた。

 バイデン政権は中国への対抗を念頭に、温暖化対策をめぐる外交活動を強化する方針。11月の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)や20カ国・地域(G20)などを舞台にした多国間外交で、日本やカナダなどと連携して交渉力を高める狙いだ。