障害者と企業をつなぎ就労支援 栃木「ミンナのシゴト」 代表の鬱病体験もとに

障害者と企業をつなぐ「ミンナのシゴト」の兼子文晴代表(中央)
障害者と企業をつなぐ「ミンナのシゴト」の兼子文晴代表(中央)

 障害者の就労支援施設と人手を求める企業とをつなぐ「ミンナのシゴト」(栃木県鹿沼市)が、全国の関係者と連携しながら障害者の活躍の場を提供すべく精力的に事業を進めている。同社には全国の240の障害者就労支援施設、障害者4800人が登録。上場企業8社と契約し、データ入力や人工知能(AI)開発、動画作成といった情報技術(IT)関係業務などで障害者と現場のマッチングを行う。

 同社の兼子文晴代表(41)は平成25年に就労支援施設A型事業所「ミンナのミライ」、28年に同B型事業所「ミンナのナカマ」を設立。障害者の自立に向け、県内の事業所経営者らとの勉強会や、障害について理解を深めるイベントなどを開催している。障害者が安心して働ける環境をつくり、「みんなが幸せになることが最も重要」と強調する。

 創業のきっかけは、兼子代表自身が鬱病になり、就労支援施設と出会ったこと。利用者たちが困難や不自由がありながらも生き生きと働いている姿を見て感銘を受けた。25年頃の同市内の障害者人口は約4千人。しかし同市内には就労支援事業所は定員25人の1カ所しかなかったことから「自分がやるしかない」と創業を決意した。

 創業時は知人からの仕事を中心に内職などから取り組み、紹介企業を1社ずつ開拓。障害者と企業をつなぐマッチングサービス事業に取り組んだ。

 障害者への指導体制をはじめ、企業からの相談やアドバイスにも対応。一時的な支援ではなく、障害者が継続的に働き収入が得られる、持続可能(サステナブル)な企業・社会の実現を目指している。

 3月には中古品販売大手の「ブックオフコーポレーション」と業務提携。各地の本社直営店舗で就労が進んでいる。「障害者は戦力だということを発信していく」と兼子代表。障害者の活躍の場を広げ、人手不足に悩む企業との架け橋になっている。(松沢真美)