浪速風

スエズ運河と今治

3月、エジプト・スエズ運河の湖に留め置かれたコンテナ船「エバーギブン」(AP)
3月、エジプト・スエズ運河の湖に留め置かれたコンテナ船「エバーギブン」(AP)

「スエズ運河座礁事故の影響で代替商品となりますことをおわびします」。自宅に届いた商品のパッケージがいつもの箱入りから袋入りに変わっていた。「おや?」と思ってひっくり返すと、そんな謝罪文がついている。はるか遠いエジプトの話だったのが一気にわがことになり、グローバル化して久しい物流社会を実感した

▶海上交通の要衝で3月下旬、大型コンテナ船が座礁し、船主が日本の「正栄汽船」(愛媛県今治市)とわかって連日ニュースになっていた。20日の本紙夕刊によると、約9億ドル(約980億円)に上る損害賠償問題が浮上しているという

▶報道が相次ぐにつれて、かつては村上水軍の拠点だった今治が、実は今や香港やギリシャと並ぶ「世界四大船主」の一つで、世界有数の海事産業集積地であることを知ってさらにビックリ。世界の海上輸送市場はいまだ拡大中だ。競争力を持つ産業だけに、思わぬ災難にも善処できるよう願うばかりである。