【北京=三塚聖平】中国の習近平国家主席は22日、バイデン米政権がオンラインで開いた気候変動に関する首脳会合(気候変動サミット)で演説し、「米国を含む国際社会とともに、地球環境の管理推進のために努力したい」と述べた。米中両政府が18日に発表した気候変動問題に関する共同声明に触れ、同問題での協力姿勢を見せた。
習氏は演説で、排出量を2030年までにピークを迎えて減少に転じさせ、60年までに実質ゼロにするという従来の目標を強調した。米側が求めていた削減目標の強化には応じなかった形だ。
一方で習氏は「先進国は、より大きな野心と行動を示すと同時に、発展途上国のグリーン・低炭素への転換加速を適切に助けるべきだ」と主張。米国など先進国に対して、途上国への資金面や技術面での支援を行うよう求めた形だ。
途上国の側には、すでに温室効果ガスを排出して経済発展を遂げた先進諸国こそが厳しい削減目標を受け入れるべきだとの思いがあり、中国は途上国を代弁することで国際的影響力の拡大を図っている。