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「カーボンニュートラル」 二酸化炭素排出分を除去 差し引きゼロに

 政府は再エネ分野で、洋上風力を30年までに全国で1000万キロワット分を建設する目標だ。しかし、本部氏は「洋上といえども、日本は風況が季節によって安定しない。すると風車利用率も低く発電コストが高くつき、発電事業のもうけも薄くなる」という。再エネ比率が高まるほど、電力コストが高騰するのは避けられない。

 本部氏は、50年の目標達成と並び、30年の排出量をどれだけ大量に削減できるかという視点が世界の潮流にあると指摘。実現には、「再エネの低コスト化や大量追加導入は厳しく、原発の活用無しでは到底難しい」とも話す。

 国内の産業競争力を維持しながらシナリオ通りに温暖化政策を進めるには国民の理解も重要で、政府による細かな説明が必要となりそうだ。

125カ国・地域が目標表明

 令和3年1月20日時点で、日本を含む124カ国と1地域がすでに「2050年カーボンニュートラル」を表明している。

 今年2月に地球温暖化防止の国際枠組みである「パリ協定」に復帰した米バイデン政権は、30年までに洋上風力による再エネ生産量を倍増するほか、自動車産業や電力部門などのクリーンエネルギー分野を中心に4年間で2兆ドル(約217兆円)の投資を実施し、競争力を高めつつ、何百万人もの新規雇用創出につなげることなどで50年脱炭素化を狙う。

 一方、欧州連合(EU)は、50年までの実質排出ゼロを「欧州気候法案」で法制化。コロナ復興予算となるEU7カ年予算と復興基金の計1・8兆ユーロのうち、30%以上(約70兆円)を気候変動に充てる方針だ。世界最大のCO2排出国である中国は、習近平国家主席が「30年までにCO2排出を減少に転じさせ、60年までに炭素中立に努める」と表明。35年までに新車販売の主流を純電気自動車(EV)とすることなどで目標達成を目指す。

(経済本部 那須慎一)

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