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「カーボンニュートラル」 二酸化炭素排出分を除去 差し引きゼロに

 その一つには、環境(Environment)や社会(Social)、企業統治(Governance)を考慮して投資を行う「ESG投資」が世界に拡大し、企業も生き残りをかけてカーボンニュートラルを目指す必要に迫られていることが挙げられる。また、カーボンニュートラルを目指すことでビジネスチャンスを生み、日本としても経済と環境の好循環につなげたいとの思惑もある。

 菅政権は50年に向け、CO2を排出する石油や天然ガスといった化石燃料の使用量を減らし、「電化」を加速する。経済成長に伴い3~5割増加する電力需要を補うため、再エネや原発、またCO2の発生しない水素やアンモニアの活用、さらに、高効率火力発電を使用しつつ、排出されたCO2を分離・回収し、樹脂原料に活用したり地中に埋める「CCUS(Carbon dioxide Capture,Utilization and Storage)」技術などを組み合わせるなどして、50年のカーボンニュートラル実現を目指す。

 政府は昨年末、ニュートラル実現への具体的な取り組みを盛り込んだ「グリーン成長戦略」をまとめた。例えば、自動車・蓄電池産業では「30年代半ばまでに乗用車新車販売で電動車100%を実現」といったように、14産業分野で、それぞれの削減策や目標年限を示し、その実行により目標達成に近づける方針だ。

電気料金は高額化

 ただ、経済と環境を両立しながら50年の目標を達成するのは至難の業だ。エネルギー政策に詳しい東大公共政策大学院の本部(ほんぶ)和彦客員教授は、目標達成には「電気料金の高額化を受け入れつつ、産業競争力を維持し、かつ既存の原発を使い続けられるかが重要になる」と指摘する。

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