【北京=三塚聖平】中国外務省は21日、習近平国家主席が22日、バイデン米政権がオンラインで開く気候変動に関する首脳会合(気候変動サミット)に出席し、演説すると発表した。軍事や人権など広範な分野で米中の緊張が増す中、気候変動問題では米国と協調する姿勢を示している。
中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は21日の記者会見で、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」について触れ「今回のサミットが、パリ協定の全面的で効果的な実施を推進することを期待している」と強調した。
ケリー米大統領特使(気候変動問題担当)は今月、訪中し、中国の気候変動問題担当特使である解振華(かい・しんか)氏と会談し、気候変動サミットについて「両国が期待している」と明記した共同声明を発表していた。ただ、習氏の出席については明言しておらず、中国側の判断が注目されていた。
習氏は昨年9月、国連総会一般討論のビデオ演説で、二酸化炭素(CO2)の排出量を2030年までに減少に転じさせ、60年までに実質ゼロにすると発言。気候変動サミットで、対策強化について踏み込んだ発言を行うかが焦点となる。