浪速風

底辺への競争は終わるか

米国に留学し経営学修士号(MBA)を取得したある人が同窓生をあざけった。「勉強した彼らが考えることは結局、いかにして税金を納めずに利益を守るかですよ」。複雑極まる手法で合法的な課税逃れをする多国籍企業は珍しくないのだから、あながち的外れな指摘とも言えまい

▶利益を税率の低い国に移して負担を減らす企業がある一方で、企業を誘致したい各国政府は競って税率を引き下げてきた。「底辺への競争」という呼び名まであるこの風潮。日本国内でも税の減免は企業誘致の常套(じょうとう)手段で、○○特区、△△構想などでも筆頭に挙がることが多い

▶米国が業を煮やしたようで国際的な法人税改革を呼びかけた。最低税率の設定も取り沙汰される。もっとも米国や英国は、コロナ禍で傷んだ財政を立て直すため、と感染収束後の景気回復を見越して増税の検討を始めており、国際社会への呼びかけはその地ならしだろう。さて、日本政府はどう出る。