中国の習近平国家主席は20日、海南省で開かれている「博鰲(ボアオ)アジアフォーラム」年次総会の式典でオンライン演説し、対立する米国を念頭に「一国が定めた原則を他に押しつけてはならない」と強調した。
「人為的なデカップリング(切り離し)は経済の規律と市場の規則に反し、利益をもたらさない」と反発。中国が多国間主義や自由貿易の擁護者だとアピールし、米を牽制(けんせい)した。
これに先立つ16日、菅義偉首相とバイデン米大統領は首脳会談し、共同声明で台湾に52年ぶりに言及。香港や新疆ウイグル自治区の人権状況にも懸念を示していた。同会談後、習氏の対外的な発言は初めて。
博鰲アジアフォーラムは中国が主催し、アジアを中心に各国の政治家や経営者が集まって経済問題を議論。中国が自国の経済政策をアピールする舞台にもなっている。(共同)