スピードスケートの村上右磨、北京「金」射程 「夏場から集中して」

【長根ファイナルスピードスケート競技会】男子500メートルで国内最高記録でゴールし、観客の拍手に笑顔の村上右磨=3月6日、青森県八戸市・YSアリーナ八戸(代表撮影)
【長根ファイナルスピードスケート競技会】男子500メートルで国内最高記録でゴールし、観客の拍手に笑顔の村上右磨=3月6日、青森県八戸市・YSアリーナ八戸(代表撮影)

来年の北京冬季五輪で3大会ぶりのメダル獲得の期待がかかるスピードスケート日本男子勢。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で国際大会に出場できなかった2020~21年シーズン、短距離の村上右磨(ゆうま)(高堂建設)は手応え十分の1年を過ごした。遅咲きの28歳は金メダルを射程圏に入れ、「夏場から集中して頑張っていけば、手にできる」と意気込む。

この1年の村上は強かった。磨きがかかったスタートダッシュを武器に、男子500メートルはただ一人、主要6大会すべてを34秒台で滑り、5勝を挙げた。昨年12月の全日本選手権、シーズン最終戦となった3月の長根ファイナルでは相次いで国内最高を更新。長根ファイナルでマークした34秒44は、欠場した2月の世界選手権(オランダ)の優勝タイムまで0秒05差の2位に相当する記録。北京冬季五輪の優勝候補の一角に躍り出た。

学生時代(帯広工高、北翔大)は父の忠則さんのアドバイスを受けながら、一人で練習を重ねてきた個性派だ。北翔大中退後は家業を手伝いながらスケートを続けてきたが、2019年夏、日本オリンピック委員会(JOC)の就職支援制度「アスナビ」を通じて高堂建設に入社。これが一つの転機になった。

「(それまでは)成績が出なければ辞めればいいと考えていたが、中途半端な気持ちでやるわけにはいかないと思った」。マイペースだった男の心に火が付くと、19年12月のワールドカップ(W杯)長野大会でW杯初優勝。20~21年シーズンは最初から最後まで結果を残し、急成長を印象付けた。

北京冬季五輪を前に、日本記録保持者の新浜立也(高崎健康福祉大職)と二枚看板といわれるまでになったが、「可能性も難しさも分かっている。大きな舞台になればなるほど力を発揮するのは難しいが、自分がちゃんとやれれば金メダルを狙えると思う」。冷静に状況を把握し、どっしり構える。

そのための青写真もできている。ターゲットは最後の200メートル。「理想とするフォームのまま滑り切れるか。最後までフォームをキープする地道なトレーニングをやらないといけない」。来るべき冬に向け、陸上トレーニングで強化を図る。

(橋本謙太郎)