【世界の論点】ワクチンパスポートの是非(3/3ページ) - 産経ニュース

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世界の論点

ワクチンパスポートの是非

党派対立は世論にも反映され、政府がワクチンパスポートを発行すべきだと答える人が民主党支持者で69%を占める一方、発行すべきではないと答える人が共和党支持者で60%に上る(調査会社ハリスXと政治専門紙ヒルによる6日のオンライン調査)。

法律上、州政府は住民にワクチン接種を義務づけ、企業や学校などが顧客や生徒に接種証明書の提示を求めることを容認できるのだろうか。

ニューヨーク・タイムズ紙(6日付電子版)は1905年最高裁判決に依拠し「恐らく合法だ」と論じた。この判決は州政府が天然痘の予防接種に応じない住民に罰金を科すことを支持しており、当時のハーラン判事は「地域社会はその構成員の安全を脅かす病気から自らを守る権利を有する」と述べた。執筆した記者たちは「今回は接種していない人への差別を禁じる法律が必要になる」と指摘する。

バイデン政権は、連邦政府として発行することはないとしている。その一方でワクチンパスポートを必要とする企業の意向は尊重し、個人情報が適切に保護され、接種を希望しない人が不利に扱われることのないよう開発者向けの指針をまとめるとしており、環境整備を進めている。

コラムニストのリアナ・ウェン氏は、政府発行を連想させる「ワクチンパスポートと呼ぶのをやめよう」とワシントン・ポスト紙(7日付電子版)で訴えた。コロナ禍に伴う規制から自由になるための「接種証明の在り方こそ議論すべきだ」と政治色を帯びた議論に違和感を示している。(ニューヨーク 平田雄介)

≪ポイント≫

・ワクチン接種者だけが信用、敬意受ける

・EUでは共通証明書めぐり議論が二分

・民主は経済、共和は「行動の自由」を重視

・非接種者への差別禁じる法整備の必要性