クリームたっぷりイタリアの「マリトッツォ」 ティラミス級ブームの予感   - 産経ニュース

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クリームたっぷりイタリアの「マリトッツォ」 ティラミス級ブームの予感  

クリームたっぷりイタリアの「マリトッツォ」 ティラミス級ブームの予感  
クリームたっぷりイタリアの「マリトッツォ」 ティラミス級ブームの予感  
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 生クリームをパンに挟むだけ。至極シンプルなスイーツが今、人気上昇中だ。イタリア発祥の「マリトッツォ」。ティラミス以来のイタリアンスイーツブームの予感だ。(津川綾子)

 直径5センチの丸パンが、生クリームを頬張ったかに見えるその姿。食用花のピンク、パステルグリーンのクリームも鮮やかで、間違いなく写真映えする。

 東京・原宿の人気パン店「なんすかぱんすか」では今年2月にマリトッツォを発売。愛らしい姿とやさしい味わいが評判を呼び、今や1日約100個が飛ぶように売れる。レモン風味のリモーネ(430円)と、ピスタッキオ(480円)が定番で、時折、季節の味が加わる。

 ホテル「ザ・リッツ・カールトン大阪」のベーカリー部門のシェフだった青柳吉紀さん(47)が焼くマリトッツォの丸パンは、毎朝4時出勤で作り継ぐパネトーネ種の酵母を使った生地に、イースト菌による生地を合わせたもので、焼くまでに2日かかる。

 生クリームは、北海道・根釧地区の乳脂肪分の高い生乳がベース。「低温殺菌でしっかりした味わいがある」(青柳さん)という生乳をしっかり泡立てたものに、リモーネならレモンクリームを加える。ピスタッキオなら、生クリームに自家製カスタードクリームを少し足し、さらにピスタチオペーストを加える。

 マリトッツォを頬張る。すると口いっぱいにまろやかな生クリームが広がって、舌の上ですっと溶けた。ほんのりと甘く、リモーネなら爽やかな酸味が、ピスタッキオならナッツの香りが加わる。パンはしっとりとした口当たりで、かむほどに、甘みが増す。

日本人好みのシンプルさ

 日本では輸入食品店「カルディコーヒーファーム」が令和2年11月に発売。現在までに42万個を売るヒット商品になっている。

 そもそもマリトッツォはイタリア・ローマを州都とするラツィオ州周辺のご当地菓子だ。

 生クリームにパンという素朴さが日本人好みなのでは、と評するのは、ミラノ郊外在住のフードブロガー、藤川真弓さん(38)だ。「和食もイタリア料理も本来は素材を生かし、シンプル。イタリア人と日本人の好みは、実は似ているのかも」。今年2月、自身のブログ「Bacchette e Pomodoro(バッケッテ・エ・ポモドーロ)」にマリトッツォのレシピを掲載すると全レシピで一番人気に躍り出た。

 藤川さんによると、イタリアではバール(カフェ)での朝食や、パスティチェリア(菓子店)でおやつに買うのが一般的だとか。

 そんな本場の雰囲気でマリトッツォを楽しめるのが、東京・白金にあるイタリア食料雑貨店「ドロゲリア サンクリッカ」だ。

 オーナーのマッテオ・サンクリッカ氏の出身地、イタリア中部マルケ州で主流のボート(舟)形のパンが特徴。生地に同州産のオリーブオイルも練り込み、パンはしっとり滑らかな食感。その切れ目には、ヘーゼルナッツチョコペースト、自家製カスタードクリーム、ホワイトチョコとバニラビーンズを加えた生クリームが層をなす。

 同店では、接客の際、その名がイタリア語の夫(マリート)に由来する説があることなど、マリトッツォにまつわるエピソードを伝えることもあるという。

 遠出の旅ができない今、食を通じた異国との触れ合いは、気分転換にもなりそうだ。