日米首脳会談

「台湾の現状変更、日米で共通認識」キヤノングローバル戦略研究所研究主幹、宮家邦彦氏 

キヤノングローバル戦略研究所研究主幹、宮家邦彦氏(寺河内美奈撮影)
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹、宮家邦彦氏(寺河内美奈撮影)

 今年1月のバイデン米大統領の就任後、新型コロナウイルス禍で日米首脳会談がこれだけ早く実現し、初めて対面で会う外国首脳として首相が招かれたことには隔世の感を禁じ得ない。バイデン氏はアフガニスタン駐留米軍の撤収を表明した2日後に日本の首相と会っており、米国の外交の重点が中国に移っている証左ともいえる。新しい国際政治の大きな流れをつくる、世界が注目した首脳会談だった。

 共同声明をじっくりと読めば、バイデン氏とその周辺が何を考えているのかが見えてくる。アジアに限らずヨーロッパでも中東でも、多くの関係者が必死に読み込んでいるだろう。

 台湾については、3月の日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で確認した内容がそのまま反映された。お互いが自然に現状を認識した場合、台湾に言及しないわけにはいかないほど現状変更が進んでいるという共通認識ができたのだろう。

 日本を取り巻く戦略環境も日本にとって不利になってきており、特に東シナ海では現状を変えられるおそれがある。これから最も大切になってくるのは、有事に至らない「グレーゾーン」への対応だ。相手が漁船集団や海上民兵を使ってグレーに仕掛けてくる可能性があるためだ。

 日本が自らの防衛力を強化することは大前提だが、それと日米安保をどう組み合わせていくかが焦点となる。どのような能力を持つことが相手に対して抑止になり、抑止が崩れたときにどう対処するのか、今一度、議論すべきときだ。(聞き手 大橋拓史)