いきもの語り

伊豆大島の天然記念物カラスバト 国分寺高校生が守る

国分寺高校生物部のカラスバト班=3月25日、国分寺市新町(橘川玲奈撮影)
国分寺高校生物部のカラスバト班=3月25日、国分寺市新町(橘川玲奈撮影)

 伊豆半島の南東に位置し、太平洋に浮かぶ伊豆大島。ここにハト科の天然記念物、カラスバトが生息する。カラスバトを守るため、約100キロ北に位置する東京都立国分寺高校(東京都国分寺市新町)の生物部カラスバト班の生徒たちが生態を研究している。

 カラスバトは国内では伊豆諸島や沖縄などの島嶼(とうしょ)部に生息し、環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されている。体長40センチほどで、全身は黒い羽に覆われ、尾羽が長く伸びた姿はカラスに近い。一方、首から胸にかけては、黒色の中に緑や青、紫が混ざってみえる構造色になっており、都会で見かけるハトのようだ。

 縄張りを主張するときは低い声で「ウーウー」、警戒するときは「ガガガ」と鳴く。時折、高い声で「ペーロン」と鳴くこともあり、求婚を表しているのではないかと考えられている。カラスバト班の3年、藤木泉さん(17)は「目がかわいいのに、声が野太い。かわいい女の子がおじさんのような行動をする、みたいなギャップがいい」と魅力を語る。

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 国分寺高校生物部は平成20年ごろからカラスバトを研究。現在はカラスバト班の2、3年生11人で研究を進めている。カラスバトが生息する伊豆大島で合宿を行い、生態調査をしたり、島内の都立大島公園動物園の飼育員に話を聞いたりしてきた。

 そもそも、なぜ国分寺で伊豆大島のカラスバトなのか。部の顧問、市石博さん(64)が以前、島内の都立高に赴任していたことがきっかけで、国分寺高校生物部の合宿場所に大島を選んだ。自然豊かな島で何か研究できるテーマはないか探し、希少なカラスバトにたどり着いた。

 伊豆大島の合宿では、カラスバトがどのような環境を好むかを調査する「環境嗜好(しこう)性調査」を進めている。カラスバトは臆病な性格で、なかなか人間の前に姿を現さないことから、詳しい生態は専門家にもほとんど知られていない。カラスバト班の3年、高橋慧さん(17)は「カラスバトがどんな場所に生息しているかが分かれば、保護活動もしやすくなる」と解説する。