フリー自己ベストの羽生「来季は4回転半がそろった演技を」 フィギュア国別対抗

【世界フィギュアスケート国別対抗戦第2日】男子フリー 演技する羽生結弦=丸善インテックアリーナ大阪(代表撮影)
【世界フィギュアスケート国別対抗戦第2日】男子フリー 演技する羽生結弦=丸善インテックアリーナ大阪(代表撮影)

 フィギュアスケートの世界国別対抗戦第2日は16日、丸善インテックアリーナ大阪で行われ、男子フリーで羽生結弦(ANA)は193・76点で2位となった。

 演技を終えた羽生の表情がふっと和らぐ。ミスが出た場所の氷に手を触れ、名残惜しそうにリンクを離れた。今季最後の演技でシーズン自己ベストの193・76点。それでも、完璧な演技とまではいかず、「悔しい気持ちはある」と複雑な胸中をのぞかせた。

 「自分の強み」と言い切る正確無比なスケーティングがあだとなった。演技2本目の4回転サルコーは、直前の6分間練習と同じ地点で跳んだため、自身のエッジで削ってしまっていたわずかな溝にはまる不運で1回転で抜けた。

 それでも、乱さなかった集中力を一気に高めたのは今季を締めくくる最後のジャンプだった。3月の世界選手権のフリーでミスをし、前日のSPでも完璧には決められなかったトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)。「絶対にきれいに決めてやる、4回転半につながるジャンプにするんだ」と高く舞うと、幅のある華麗な放物線を描いた。3・04点の加点を引き出し、「今できる自分のベスト」と胸を張った。

 スウェーデンの世界選手権から帰国後は、ホテルとリンクを往復するだけの日々を過ごしてきた。隔離期間が解けたのは大会の前日。決して万全とはいえない状態で今大会を迎えただけに、「そんな中でも、よくやったって言ってあげたいような内容だった」とうなずいた。

 新型コロナウイルスに振り回された異例のシーズンの心残りは、こだわってきた4回転半をプログラムに組み込めなかったこと。来季は北京冬季五輪のシーズンになる。「4回転半がそろった、完成された演技を目指して頑張っていきたい」。理想形を追求する絶対王者が力強く宣言した。(久保まりな)