今国会初の衆院憲法審 改憲論議でも政党間の溝が浮き彫りに

今国会初の衆院憲法審査会に臨む与野党の委員ら。中央は細田博之会長=15日午前、衆院第18委員室(春名中撮影)
今国会初の衆院憲法審査会に臨む与野党の委員ら。中央は細田博之会長=15日午前、衆院第18委員室(春名中撮影)

 15日の衆院憲法審査会では国民投票法改正案だけでなく、憲法そのものの議論をめぐる政党間のスタンスの違いも浮き彫りとなった。自民、公明、日本維新の会、国民民主の各党は「新型コロナウイルス禍」や「社会の変化」を踏まえた憲法上の議論を深める必要性に言及したが、立憲民主党は「憲法の中身の議論を急ぐ必要はない」と指摘し、共産党も改憲は最優先課題ではないと同調した。

 「コロナ禍の今、日本社会でどのような憲法上の課題が生まれているのか整理する作業が開始されるべきだ」。国民の山尾志桜里氏は憲法審でこう述べ、木曜日と定められている開催の定例日を増やすなどして議論を深める必要性を訴えた。与党筆頭幹事を務める自民党の新藤義孝元総務相は「建設的な提案をいただいた」と歓迎した上で、当面は定例日の確実な開催を目指す考えを示した。

 この日は出席者からコロナ禍や社会の変化と憲法とを絡めた発言が相次いだ。公明の国重徹氏は「憲法制定時には想定されていなかった同性婚についても真摯(しんし)に議論をしていく必要がある」と主張。また、憲法に衆参両院の本会議の定足数が定められていることから「感染拡大で国会が機能しなくなる恐れもある。危機意識を持って議論を進めていかなければならない」とも述べた。 

 維新の馬場伸幸幹事長は「(緊急時に限って政府による強い権限行使を可能とする)緊急事態条項の創設に関する検討は待ったなしだ」と強調。山尾氏も「緊急事態条項が危険なのではない。(緊急時の権力行使などについて)平時に冷静に議論していない状況が危険を生んでいる」との問題意識を示した。

 こうした各党の積極的な意見表明と距離を置いたのが立民だ。奥野総一郎氏は、審議中の国民投票法改正案のままでは改憲の是非を問う際に公正な投票は担保されないと指摘した上で、「急いで憲法の中身(の議論)に入る必要はない」と強調。共産は「政治の最優先課題は新型コロナ対策だ。改憲や国民投票法ではない」(本村伸子氏)と断言した。(内藤慎二)