「やむを得ない」「もっと説明を」 福島・宮城の関係者から理解と要望 - 産経ニュース

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「やむを得ない」「もっと説明を」 福島・宮城の関係者から理解と要望

東電福島第1原発の敷地に並ぶ処理水などを保管するタンク=福島県(芹沢伸生撮影)
東電福島第1原発の敷地に並ぶ処理水などを保管するタンク=福島県(芹沢伸生撮影)

 「やむを得ない」「もっと説明を」。東京電力福島第1原発の処理水の処分方法をめぐり、政府が13日、海洋放出の方針を正式決定したことを受け、福島、宮城両県の観光・水産関係者からは一定の理解とともに、海洋放出の安全性などについて政府の説明を求める声が上がった。

 福島市西部の山あいにある観光スポット、土湯温泉で、観光協会事務局長を務める池田和也さん(63)は「処理水が科学的根拠に基づいて安全なのであれば、海洋放出もやむを得ないと個人的には思う」と一定の理解を示した上で「そうならば、処理水の安全性をもっと説明すべきだ」と指摘する。

 また、池田さんは「福島の農産物が地域によっては今も安く買われるケースがあると聞く。海洋放出の影響は日本各地で出ると思う」と今後の風評被害を懸念。「旅館で『福島の魚はおいしいですよ』と言って出せるまで信頼を取り戻したのに…。コロナ禍が収まらない中で『まだ福島は怖い』となったら、泣きっ面に蜂だ」と話した。

 日本有数の生鮮メバチマグロの水揚げ量を誇る宮城県塩釜市で、「塩釜仲卸市場」の理事長を務める阿部秋雄さん(66)は「漁業者に(風評被害などの)影響が出るのは必至。東日本大震災直後のような状況になるのではないかという不安はある」と語る。阿部さんは県産ホヤに対して韓国が禁輸措置を続けていることを挙げ、「処理水の海洋放出が拍車をかけ、マグロなどにも風評被害が及ぶ懸念もある。少なくとも補償は必要だが、(海洋放出が)何年続くかといった(政府の)説明もはっきりしていない」と指摘する。

 阿部さんは市場内で水産物仲卸店「カネイソ商店」を営んでいるが、「(水産物を)卸している宿泊業者や、観光客など一般消費者の宮城県産の水産物への評価が下がる可能性もある」と述べた。(芹沢伸生、塔野岡剛)