福岡知事選当選の服部氏「5月中にも病床1000床」 - 産経ニュース

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福岡知事選当選の服部氏「5月中にも病床1000床」

 福岡県知事選で初当選を決め、支援者とグータッチを交わす服部誠太郎氏(右)=11日夜、福岡市
 福岡県知事選で初当選を決め、支援者とグータッチを交わす服部誠太郎氏(右)=11日夜、福岡市

 「小川県政の継承」を掲げた元副知事の服部誠太郎氏は、対立候補の4倍以上となる100万票近くを得て圧勝した。多くの有権者が、新型コロナウイルス禍での知事不在という非常事態に「県政の継続」を選択した。投票率は過去最低だったものの、一定の信任を得た服部氏は、就任早々、県トップとしての手腕が問われることになる。

 まず、新型コロナ対策の強化は待ったなしだ。県内では新規陽性者が増加傾向で、10日には2月末の緊急事態宣言解除後、最多となる81人が確認された。感染力が強いとされる変異株も広がりを見せている。

 感染の急拡大に備えるには、新型コロナ専用病床のさらなる確保が急務となる。現在、県は770床を確保しているが、服部氏は「少なくとも1000床を5月中にも確保する」との方針を示す。

 現在の約2倍となる「1500床が必要」(高島宗一郎福岡市長)との意見もあるが、服部氏は「救急救命医療やがんなど他の病気とのバランス、スタッフの確保なども考えなければいけない」とし、段階的に積み上げていく考えだ。

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 服部氏は選挙戦で、県議会主要4会派の全面支援を受けた。知事と県議会との関係は、特に最大会派、自民党との対立が目立った小川洋前知事とは違い、服部県政では共産を除く「オール与党」の様相を呈す。

 施策が実行しやすくなる半面、「選挙で世話になった分、常に議会の顔色をうかがわなければならないのではないか」(県政関係者)との懸念もくすぶる。

 これに対し服部氏は「二元代表制の中で、お互い緊張感を持って連携しながら県の発展に努めていく」と強調する。

 服部氏自らの独自色をいかに発揮していくかも課題だ。継承をアピールした小川県政には「将来の発展を見通した大きな政策が見当たらない」との批判も少なくなかった。

 服部氏は選挙公約の中で、「3つの挑戦」と題し(1)「人財」の育成(2)「世界から選ばれる福岡県の実現」(3)人獣共通感染症対策に取り組む「ワンヘルスの推進」-を掲げた。こうした肝いり施策の実現も求められる。

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 選挙戦では44年という豊富な県行政経験から、即戦力であることを強調した。ただ、福岡市の高島市長は記者会見で「(服部氏は)これから行政マンから政治家になる」と指摘し、政治家としての指導力に期待を込める。発言の背景には、新型コロナ対策などをめぐり官僚出身の小川氏のリーダーシップに不満を募らせていたことがある。

 服部氏は12日、早速高島氏と面会し、当選を報告。市役所に高島氏を訪ねるのは選挙期間中に続いて2回目で、小川氏との間で軋轢(あつれき)が目立った県と福岡市との関係改善をアピールした。

 服部氏には、小川県政からの「脱却」も必要になる。(小沢慶太)