460万人の観客を動員し、興行収入は70億円を突破したアニメーション映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の総監督、庵野秀明(あんの・ひであき)さんが11日、東京都新宿区の映画館で舞台あいさつを行った。テレビ番組の放送から四半世紀以上がたつが、庵野さんが「エヴァンゲリオン」シリーズの舞台あいさつに立ったのはこれが初めて。
マイクを握った庵野さんは、「スタッフを代表して、みなさんに直接お礼を言える最後のチャンスかなと思って参加しました」と観客に心境を語った。
その後、監督を務めた鶴巻和哉さん、前田真宏(まひろ)さんとともに、主人公、碇(いかり)シンジの声優、緒方恵美さんの質問に答えながら映画製作の裏話などに花を咲かせた。
この中で庵野さんは、「ロボットアニメで興収(興行収入)が100億に届いた作品はない。100億円に届いたら、アニメ業界全体の活性化につながるのでは」という考えを明かした。
最後は「コロナ禍の厳しい状況の中でも映画館に足を運んでいただき感謝しています。本当にありがとうございます」という言葉とともに、深々とお辞儀をした。
舞台あいさつのもようは、生中継され全国328の映画館で上映された。
「エヴァンゲリオン」は、テレビ番組「新世紀エヴァンゲリオン」(平成7年放送)から始まったアニメ・シリーズ。独自の映像表現などが話題で、社会現象にもなり、放送から26年たっても人気は衰えていない。今回の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は平成19年から始まった映画4部作の完結編。3月8日から全国の映画館で上映され、大ヒットしている。28日には緒方さんら14人の声優陣だけで、24年ぶりの舞台あいさつを行っていた。