浪速風

拉致被害者家族「命がなくなってきている」

菅義偉首相(左)へ「家族会・救う会今後の運動方針」を手渡す横田早紀江さん(右から2人目)ら=7日午後、首相官邸(萩原悠久人撮影)
菅義偉首相(左)へ「家族会・救う会今後の運動方針」を手渡す横田早紀江さん(右から2人目)ら=7日午後、首相官邸(萩原悠久人撮影)

痛ましすぎる言葉だった。「年をとり、(残りの)命がなくなってきている。なんとか家族みんなが帰れるようにしてほしい」。北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさんの母、早紀江さんが菅義偉(すが・よしひで)首相と面会した際の訴え。早紀江さんはもう85歳という。

▶昨年には父親の滋さんが亡くなった。家族会などは今年の運動方針で、被害者の帰国には「期限がある」とした。その通りである。なんとしても家族を再会させなければならない。それなのにこの国はいまだに全員を取り戻せていない。菅首相はバイデン米大統領との首脳会談に触れた。拉致問題への理解を求め、協力して解決に努めていく考えを述べた。

▶アメリカに理解や協力を求めるのもよい。ただし国民を守るのは、まずはその国である。国家はその主権で国民と領域を守らなければならない。そうでなければ主権国家とはいえない。このあたりまえの原則を、政府は改めてかみしめなければならない。